沸(にえ)のある刀剣

沸(にえ)のある刀剣

沸(にえ)のある刀剣 刀剣を、刀鍛冶が作る光景を、テレビなどでご覧になった方も多いことでしょう。
いよいよ仕上げの焼き入れに入る直前、刀剣の材質は、オーステナイトという組織になっています。
これを水中で急速に冷やすと、刃の部分が、マルテンサイトという組織に変化します。
マルテンサイトは、非常に硬くなっていて、物を斬ることに優れた特性を有します。
一方、地金の部分は、トルースタイトという組織に変化します。
一振りの刀に、この2種類の組織が混在することによって、あの刃文の美しい模様ができあがるのです。
刃文の境目には、マルテンサイトとトルースタイトの粒子が混在しているのですが、この粒子を肉眼ではっきりと確認できるものを、沸といいます。
特にこの状態が強く見られるものを、沸出来といい、鎌倉初期の作刀や相州物の系統に多く見られます。
このような模様が浮き出ている部分は、摩擦を減少させる効果もあります。
見た目だけではなく、機能美をも兼ね備えているのです。

匂(におい)のある刀剣

匂(におい)のある刀剣 刀剣は、日本文化の極みです。
その美しさ、鋭さは見る人を魅了してやみません。
そんな刀剣は、刀鍛冶の手によって作られていることは、ご存じのことと思います。
では、刀鍛冶によっては、匂いのする刀できる、という話はお聞きになったことがあるでしょうか。
日本刀は、刃の部分と地の部分では、厚みや硬度が違います。
そして焼き入れの後は、それがはっきりと際立つのです。
同時に、刃文といわれる白い模様が浮き出てきます。
これは、焼き入れすることによって、刃と地金の材質に違いが現れてくることによるものです。
この刃文の境目が、ぼんやりと白い霞のように見えている状態を、匂と呼ぶのです。
刀剣において、この状態が強いものを、匂出来といいます。
このような作風は、鎌倉中期以後の備前物や、南北朝時代の備中青江物などに代表されています。
実際に刀剣を見るときは、刃に浮き出ている、たなびく霞のような美しさに注目してみてはいかがでしょうか。

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◎2024/6/3

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よくつく、厚くつくとか小、荒とか境界が難しい。あと地景も難しい。短いのはどこからが地景と言って良いのだろう(そもそも地景かどうかわからないことある)。 そこらへんを自分ので教わりたいな。

返信先:このはおかしい!(*'▽')笑 銘もおかしい!笑 表現もおかしい!!笑 「顕国のには、直刃のと、直ぐ調にえの強い互ノ目が連ねたがある。 本作は、直ぐ調に焼きの頭が揃い、互ノ目を連ねた刃文となっている」 乱れてないし、足も弱いww

返信先:これか(*'▽')w 「直刃(すぐは)のと、(にえ)づいて互の目(ぐのめ)の乱れが遅れたであるのが、顕国の作風。本作は身幅広めで反りがつき、鍛えは相州伝特有の板目肌、刃文は互の目乱れに足が入り力強いが付く豪快な作風で、顕国の特色がよく見られます。」

この表現を見るにすごい好みのなんだろうな……よく鍛えられた肌をできらきらさせて鎬筋にかかるほどの多様な乱れ刃とかさ……

今年、とある工のを三振り拝見できて良かった。出来の幅はあるもんだなと思う。そしてやはり山形で拝見した「なんだこれは!?」レベルのを美しくあしらったあの一振りが会心作と呼べるのかなと。